防災庁舎の新築と、移設復元された県庁5号館の照明デザイン。県民の生命と財産を守る拠点であるとともに、古き良きものを見つめながら、新しいものを受け入れ、歴史を紡ぐ場となる光環境を目指した照明計画である。宮崎県防災庁舎エントランスでは、県産材を使用した木ルーバーや壁面を間接照明により柔らかく照らすことで、温かい印象を創出し来訪者を迎え入れている。木製のルーバーに組み込んだ小型スポットにより、可動する展示パネルを照射することにより空間にメリハリをつけ、情報発信地としての機能を明確にしている。宮崎市の景観重要建造物に指定されている5号館は、建築当時の雰囲気を継承した内部のあかりと、外部の赤レンガの壁面や屋根、縦長に開いた窓、玄関まわりや軒先の意匠を際立てるライトアップにより、新たなまちの交流拠点としての姿を確立している。
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