三原橋再整備に伴う銀座駅と東銀座駅をつなぐ地下歩道の改良計画。「ひと」と「まち」と「記憶」をつなぐ地下通(ちかみち)〜新たにつながる時間軸〜の建築コンセプトに基づき照明計画では、これまでの地下通路の薄暗い印象を改良し、銀座のまちに相応しい歩道空間の創出が望まれた。天井壁をつなぐライン照明が、長い通路にアクセントとなり、リズム感のある表情を演出。既存のレンガ柱はそのままに、中央部の梁構造を活かした照明デザインで、地下の閉塞感を取り除き、視覚的な明るさ感と歩行者の視線に眩しさを与えない心地よい流動空間の光環境を創出している。地下歩道から地上につながる各出入口は、行先が分かりやすいように壁面を照らす間接照明で見通しをつくり、階段の段差を明確にし安全性を確保している。かつての三原橋があったエリアは、橋や川の記憶をつなぐように、特殊な研磨技法により水面を印象づける壁面パネルが配置され、通行者の歩く視点でパネルの表情が変化する。これまでの地下通路の薄暗い印象を改良し、銀座のまちに相応しい、上質で快適な歩道空間として刷新されている。
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